佐藤天彦名人への挑戦権を決める第77期A級順位戦の最終局が行われ、豊島将之二冠が久保利明九段に勝利。成績を8勝1敗として自身初の名人挑戦をつかみました。

今期のA級の最終結果は以下の通りとなりました。

第77期A級順位戦 最終成績

8勝1敗 豊島将之二冠(名人挑戦)
7勝2敗 羽生善治九段
6勝3敗 広瀬章人竜王、糸谷哲郎八段
4勝5敗 佐藤康光九段、久保利明九段、三浦弘行九段
3勝6敗 稲葉陽八段
2勝7敗 深浦康市九段(降級)
1勝8敗 阿久津主税八段(降級)





豊島二冠、巧みに攻めをつないで久保九段を圧倒!!


ここまで7勝1敗で名人挑戦にあと1勝と迫っている豊島二冠。本局でもその強さが遺憾なく発揮され、久保九段を圧倒する勢いを感じさせました。

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第1図は豊島二冠が▲2八角と打ったところ。敵玉をにらんでいるとはいえ、角を手放してしまって大丈夫なのかと不安になってしまうところですが、豊島二冠は読みに読みを重ね、自信を持って角を打ちつけました。

このような思い切った手を指せるのが強さの秘訣なんでしょうね。ここからは一方的な将棋になっていきます。

2019-03-02b

そして第2図。大駒を全て相手に渡しながらも後手玉を下段に落として寄せに入った局面。ここで▲2六歩と桂を取りにいったのが実に冷静沈着な一手。

終盤に入っても豊島二冠は全く焦るところがなく、ここまで落ち着いて指されると久保九段としては逆転の狙いようがありません。最後まで後手のつらい展開が続きました。

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第3図は先手がついに決め手を放った局面です。

5一にいた成桂を4一に捨てたのが見事な決め手で、△同金に▲3三歩がぴったり。この歩を△同金と取れば▲4一竜から後手玉に詰みが生じます。

そこで後手は仕方なく△3三同玉としましたが、▲4一竜として後手玉は寄り形となりました。以下は数手で久保九段が投了。豊島二冠の初の名人挑戦が決まりました。

佐藤名人との名人戦は注目のライバル対決!!


名人戦のカードは佐藤天彦名人対豊島将之二冠というライバル同士の楽しみな顔合わせとなりましたね。

世代が近く、若い頃からずっとしのぎを削ってきました。その2人が最高位の名人の座をかけて戦うというこれ以上ない舞台となりました。

ちなみにこの両者はかつて新人王戦の決勝でも戦っており、そのときは佐藤名人が2勝1敗で制しています。ともにまだ六段だった頃のことでした。

名人戦は4月10日に開幕します。佐藤名人が4連覇なるか、それとも豊島二冠が3つ目のタイトルを獲得するのか。2人の俊英の戦いぶりに注目しましょう!